生物地理学会サイトの更新が滞っている理由(ニヤリ)
この分だと元号が変わるのにも間に合わなさそうな予感がします
なんすかね、もうすっかり漬物石のような存在感になってしまって。学会の会計も圧迫しているので、無料掲載のページ数はもう2ページ 無理だ。もう初記録とかでさえ投稿できない
でも会員数は増えてないんですよね。
年明けからこっち、ほぼほぼかかりきりだったかも
長いことシンポジウムの過去ログをアップするように言われてて、ようやくまとめて入力を済ませることができた。旧サーバー(学協会)時代はメモリケチってて pdfや画像は極力排除して、可能な限りhtmlファイルで作成してきたけど、移転先サーバーは容量にかなり余裕があるので、最近ちょっと麻痺してるかも。
シンポジウムのポスターが2Mb弱で上がってきたので、さすがにこれはちょっとと思って、500kbくらいに作り直してもらった。
英文誌和文誌ともに最新刊の種名インデックスと、学名を中心に正誤表も作成。
Word のオートコレクトが学名の入力にネックとなっていて、ここ数年その表記ミスがとても目立つ。最初に正しく入力してあっても、同じ文中で改行したり、空白スペースや句読点を入力するとオートコレクトが作動して、学名によくある語尾 子音 + ata が、英語風に子音 + ate に変換されてしまう この誤変換は和文誌と大会要旨集に圧倒的に多く、英文誌では顕著に少ない。
いったん正しく入力してあるからか、投稿者本人が誤記に気付いていないまま投稿されてくるようだ(で、編集も査読者も見落としている orz)。
対処法としては、よく使う学名は単語登録してしまうこと。原稿中に何か所もあると、直すのも大変だし。
ぼくの書く報告書のように、多くの学名が出てくると、なかなかそうもいかないけれど
とりあえず、投稿者に注意を促すよう編集サイドに提言したので、春の評議員会議で議題の一つになると思う。
毎年恒例の干潟実習が無事終了、先週報告書を提出した。
この学生実習だけではなく、小櫃川河口干潟は東京湾における潮間帯フィールドワークの聖地かもしれない。ぼくは92年頃からこの干潟に出入りしているので、もうずいぶん年月が経つ。
この頃の写真を見ると、けっこう干潟が青々している。
アマモ、コアマモだけではなく、緑藻類が結構多かったと思う。アオサ類、アオノリ類、ミル類、ジュズモ類、ハネモ類、etc.
ウミニナ類をザクザク踏んづけて歩いた記憶もある。
この頃にはすでにホソウミニナばかりだったのか、まだウミニナも見かけることができたのか、はっきりした記録を残していないし、当時採集した標本も、今や手元に保管されていない。
ただ、割と高い頻度でツボミガイがついていたのは確かだ。
アメフラシ、タツナミガイ、ウミフクロウなんかも見たような気がするけれど、実習では一度も観察していない。そういえば去年はヤミヨキセワタがたくさん現れたっけ。
つい最近までずっと同定をサボっていたポシェットトゲオヨコエビは、90年代後半にはすでに現れていたと思う。当時のデータは Jesogammarus sp.にしてあった。同時期、瀬戸内海で採集されたサンプルはアナンデールヨコエビに誤同定していた気がする。
去年だったか、やっとこさ、ポシェットトゲオヨコエビとヒヌマヨコエビの原記載を入手して、何日もかけて見比べて、なんだかかえって訳が分からなくなってしまった。手元の標本が雌ばかりだったせいかもしれない。
このほかにも数種のヨコエビ類が、もともと東京湾にはいなかったものだと思われる。
ウメノハナモドキは、96年に実習生の卒論を手伝った時から気になっていた。当時はオキシジミの幼貝とかって言っていた気がする。で、採集標本を解剖して、スケッチして、フタバシラガイ科らしいとこまでは突き止めたけど、その先がずっとお手上げ状態だった。
99年まで、実習データはフタバシラガイ科 sp. とかにしてあったと思う(ぼくの手元にはない)。ウメノハナモドキの名前に辿り着いてずいぶん経つけど、原記載は相変わらず入手できていないし、情報も乏しい。2015年にようやく少し、ネットを渉猟した結果が残せたかもしれない。
ただ、今年の実習ではあまり検出できなかった。終日ものすごい強風だったから、たぶん実習生の小型種に対するセンサーが鈍化していたんじゃないかと思う。
ツメタガイはホソヤツメタばかりになってしまったし、サキグロタマツメタはすっかり定着したし、リスガイ類もぽつぽつ見かけるようになったし。砂茶碗は何種類か見かける。
Armandia くらいだろうか。相も変わらずうじゃうじゃいるのは。ここ数年はあまり持ち帰ってチェックしていないけれど、一応ツツオオフェリアということにしている。肉眼ではガペンオフェリアが混ざっていたとしても、たぶんちょっと見ではわからないし、ほかの種は顕微鏡がなければ絶対識別不可能だ。
Nephtys はちょっと様相が変わったかもしれない。大型種がぽつぽつ見つかるようになった気がする。
Glycera はここ数年、ほぼチロリしか取れていないかも。
ゴカイ科の複数種、とりわけコケゴカイとツルヒゲゴカイを見かける頻度が減った気がする。
スゴカイイソメの棲管は以前と同じくらいの密度ではないかと思う。ツバサゴカイ科の棲管はあまり見かけなくなってしまった。最干時刻の汀線付近でしばしばチマキゴカイが採れるようになった。干潟上の擬糞は、ほとんどタマシキゴカイじゃないかと思う。ぷよぷよした卵塊とセットで。
そしてここ数年の実習では、ニホンスナモグリの巣穴をほとんど見かけていない。コメツキガニも潮間帯中部ではほとんど見かけない。十脚類は爬行性の種ばかりが目立つ。
見た目さほど大きな変更はありませんが、中身は大改造でした 掲載分類群からのインデックス作成がその主な内容ですが、これでだいぶ整理が進みました
Biogeography Vol.17 の目次やインデックス作成にかかった時間を、これまでよりかなり短縮できたと思います。
使い勝手も良くなればいいんですが
科名リストが977もあって(すさまじい勢いで増えてしまった)、ちょっと見出しとしては使いにくいのが難点です。アルファベット別にファイルを分けることを考えていますが、見出しをどう表示するかなぁ。
節足動物と脊索動物の科名までのリンクファイルも巨大になりすぎました 目的地へたどり着くのが大変です
このサイトでは JavaScript を使いたくないなぁ、って思っていて(イマドキそんなに気にする必要ないのかもしれませんが)。プルダウンメニューとか、別ウィンドウのメニューファイルとか、便利だけど、サポートしてないブラウザやユーザーの設定次第では開けませんので。
ま、いろいろ試してみることにしましょ
それはそうと、扁形動物と線形動物の分類が、まだまだ宿題となっています 両者ともフリーリビングよりも寄生者の情報が多くて、ほとんどまったくそれらの文献を持っていません(植物や昆虫や脊椎動物も同様なんですが)。
ここ数年の分類の変更が大きくて、今後も流動的な印象が強いので、その都度何百ファイルも修正しなくて済むような作りにしたいところです(線形動物の属ファイル数が200、扁形動物、海綿、その他と合わせて112、... フォルダを門ごとに作りなおそうかなぁ ...)。
いったん2015年版の作業を終了して、2016年版以降に反映させることを考えた方がいいかもしれませんね。和文誌 Vol.70 のインデックス作成も含めて(目次と著者索引は、これと別に作業できるし)。
大きな変更は数年ごとにとどめて、来年はマイナーチェンジに抑えたい気もしますが
MIAW を始めたばかりの頃は、仕事柄、あまり図鑑類で取上げていないものを掲載することに熱くなっていました。
んがしかし。こぞって出版されたウミウシ類のガイドブックにやや意気消沈。アセス関連で扱わないものばかりだったので ここにはおいつけねー、って思って、ウミウシ類の写真を撮ることに、あまり熱意を持てなくなってしまいました
生物観察の仕事では面白くてウミウシ類かなり出しましたが
生物界を広くカバーした分類体系、というのが、日本ではあまり普及しないと思うのですが、その理由のひとつは和名にあるかもしれません。しょっちゅう変わると命名が追い付かないとゆー
アルファベット表記の学術名称だけだと抵抗感があるのかな。発音のカタカナ表記も、なんだかなぁ、ってな感じですしねぇ(ボキャブラリーを増やす要素でもありますが)。
そのくせ「五つの王国」みたいな出版物には容赦ない批判をかますという 良いところを取り上げて、そのうえで問題点を指摘すればいいのに。ぼくはこの本大好きだなぁ。全体像を俯瞰するうえで、重要な基準になると思います。
ま、ともあれ。
海岸動物図鑑から20年余。ふと気づくと、ぼくも東京湾をフィールドにしてすでに25年(うっわ、びっくり)。
最近のぼくの興味は、生物の分類がどんなふうに移り変わってきたか、これからどうなっていくのか、なんてなことになるのかな。MIAW のつくりも割とソレ推しになっているかと思います。700種内外で、ようやく、海の無脊椎動物の全体像を概観できるようになってきましたし(時間かかっちゃったなぁ~~~)。
まだカバーできてない、わりと大きな分類群もあるので、その辺も集めていきたい今日この頃です
ここ2年ほどかかりきりだった仕事を、オファーはあるんですが、ちょっと訳あって、距離置いているせいです
さて。
2012年にMIAWの見直しをして以来、3年ほどで、また結構大きな分類の変化があったので、今回またちょっとカバーしました。
先に Ruggiero et al. (2015) の体系をアップしましたが、これは目以上なので、ディティールがわからないという難点がありました。とはいえ本文中にある通り、かなりの部分 WoRMS を参照しているので、その点ではぼくのサイトにはマッチさせやすかったわけです。
んなわけで、ホントはもう何年か後にやるつもりだった、WoRMS の変化を今回見てみようと
とくに大きな変化があったのは、サンゴとウミシダでしょうか、ね。
MIAW にはあんまりサンゴを載せていないので、変更点はわずかでしたけれど、まだアップしていない生物地理学会のサイトは、もう大改造といってもいい規模でした 科がひとつ廃止されて、属の移動がけっこうあったので。
ウミシダも同様、クシウミシダ科が Comatulidae のシノニムになって、Oxycomanthus がClarkcomanthus のシノニムになったので、たいした種数を載せてるわけでもありませんが、リンクが多い分時間かかっちゃいました。
こういったことは、これからほかの分類群でもガンガン出てくるでしょう。
ああ、そうだ。サキグロタマツメタがタニシ科に移動されてたっけ タニシ科って
ユムシが多毛綱の一亜綱に移動されてるのは、もしかしたらまたちょっと見直しがあるんじゃないかなぁ、なんて思いますが。
今回は WoRMS の見出しだけ作っておいて、リンク先の学名の修正はまたおいおい、ってなつもりですが、さしあたりウミシダは修正、更新済み(ちょうど論文も入手できたので)。
ファイル名の変更を含みますので、リンクの不具合があった場合、キャッシュメモリが更新されていないと思います。手動更新をしてみてください。
ところで。
こんな具合に、分類の見直しのピッチが速まってくると、民間アセスなんかでは不都合なことも多そうな気がします。
よく言われているような、「上で止めておけば安全」といったコンセプトのデータでは、これから先、困ることになりそうな予感がしますねぇ
やっぱり、同定精度は有効数字と同じように考えるべきなんじゃあないのかな
ちょっと空き時間ができたら、カメラもってシュノーケリングしたり、釣りしたり、サンプリングしたり。憧れます
当面かなわないので、先延ばしにしてた作業にポツポツと着手してみたり。
魚類っす。
昆虫も相当腰引けてたけど。それがいよいよ魚類っすよ。
硬骨魚綱にしてたのを、条鰭綱になおして(何ファイルあるんだ?! ←自分で始めたこととはいえ)。科名ファイルから横チェックして、同種異名をまとめなおしたり。この15年で、あちらこちらへタライまわしにされてたヤツをひと所へ押し込めて、関連リンクを貼り付けたり。しょーむないコピペミスや入力ミスを直したり(たぶんこれ作った時は寝ぼけていたに違いない)。和名とか記載者とかタイプタクサとか、不備があれば調べて入力したり。
Ruggiero et al. (2015) の体系は条鰭綱に対応してないんですよね。導入に慎重になるのはここらあたりが最大の理由(昆虫やらも気づいてないことが多々ありそうで)。
とか言いつつ、パーキンサスをアピコンプレックスに入れちゃってますけどね。新しいものが出るたびにスタイルを変更する、っちゅうのはさすがにムリなんで。まぁ、もうちょっと様子を見ながら考えようかと。
んでタイトルの話題に戻ると。
ひと仕事終えたら、水平線に沈む夕日を眺めつつ一杯なんてのもいいかなあ
日本生物地理学会サイトの種名indexで、昆虫の上位分類と属名ファイルのチェックが終了しました。長かった ...... 設定の調整を済ませたらアップロードできそうですが、もうじき英文誌が出ますので、そちらのindexと一緒にアップするとちょうどいいかな、なんて考えています。
もともと上位分類からの検索は作るつもりがなかったのですが、強いリクエストがあって とはいえ、これで横方向にチェックすることができるようになったのも確かなことで 不案内な分類群だと、同じ種が違う学名で出てくると、和名でもついていない限り同じものであるという判断がなかなかつかない、という事態を招いておりました
今回済ませたのは入力フォームの統一だけなので、個々のデータを最新の仕様に合わせるところまではこぎ着けていません。こちらはまた追々ということで
あとは大きなグループとして、甲殻類、軟体動物、魚類が残っています。軟体動物は日本近海産貝類図鑑を使っていましたが、陸貝の情報が増えたので、これらをカバーできる体系を導入する必要に迫られていました。そこでBouchet & Rocroi 2005を頼ったのですが、中間の複数階層がすべてクレードなので困ります。遠からず、また直さなくっちゃならなくなること必至
んでもって、後回しにしている魚類が、また大変そうなんですよね 作業に着手したら、ここで愚痴ることにします
和文誌indexを更新する頃には作業が終わってるといいなぁ、なんて (...... いや、ムリっぽいっす)
アカウントをほぼ忘れてしまっていた
MIAW に写真をちょこちょこ追加、いくつか加筆(おもに東大からみ)、コピペミスとか入力ミスとかリンクの不具合とかを修正。それと、全生物を網羅した高次体系をカバー(分類をチェックするの大変だった)。
サーバーの空き容量が1/4ほど。最近のサンプルや写真はほぼアップしちゃったので、2012年以前のコンテンツで未修正のものに着手しようかな。
生物地理学会サイトも、春から何度かに分けて更新ずみ。こちらの高次分類はひとつのまとまった体系ではなく、あちこちからの寄せ集め。個々の属ファイルでは修正できてないものが山ほどたまってしまっている
取り返しのつかない、残念なことがいくつか(ご冥福をお祈りします)。
ちょっと動き出した周囲の面々。かわらず厳しい現状。新しい取り組みもいくつか。そんななかでの手痛い失敗。
いい加減、なんとかしなくっちゃ
日本生物地理学会のサイトを2回更新しました(12月30日付、1月10日付)。掲載分類群のリストの更新および科名リストの追加です。そして近日中に、4月の大会に関する追加情報も掲載する予定でいます。
2013年12月刊行の68巻目次は、3月末くらいまでにアップできればいいかな~、などと考えています。
学会サイトにエネルギーを割いた分、MIAWは放置状態 写真を追加したかったんですけどね~~。